そもそも、お仏壇とは?
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そもそも「お仏壇」とは?
仏教は2500年ほど前に、仏陀を開祖として、古代インドの世界観が取り入れら形成された教えです。
その中心にそびえる聖なる山がスメール山です。
その後、中国から日本に538年に仏教が伝来(522年の説もあります)し、
仏教寺院では、仏さまのおいでになる世界である聖なる山=スメール山の頂きに見立て、
お釈迦様や阿弥陀様の御本尊を、一段高くしつらえた場所「壇」の上にお祀りしました。
「壇」の上は仏の領域とされ、インドのサンスクリット語のスメール山の漢字音訳語である、
須弥山に由来して、仏を祀る壇を須弥壇と呼ぶようになりました。
仏を祀る壇 = 家庭の中の小さなお寺
江戸時代になり、武士や裕福な商人の間で、信仰のために、家に御本尊を祀るようになりました。
その際に、寺院の内部の様式を小さく模して、須弥壇や内陣(お寺の本堂の内部)を箱型におさめたり、祭壇を作り、須弥壇や内陣に見立てって仏像を安置しました。
信仰の中心となる「御本尊」を安置する「 仏を祀る壇 = 須弥壇 」設え、仏教の世界を表現し装飾したものが「 仏壇 」となりました。
そのため、お仏壇は「 家庭の中の小さなお寺 」と言えます。
特に、浄土真宗のお仏壇は、阿弥陀如来のおられる極楽浄土の世界が表現するため、金箔や彩色を用いた荘厳なつくりの金仏壇です。
お仏壇を通じて、御本尊と向き合い手を合わすことで、仏教徒として生き、心のよりどころとして信仰を実践し、安らぎや、命の尊さを感じることが、本来のお仏壇をまつる最も大切な意義です。
信仰のための仏壇と、
先祖供養を行う位牌壇が融合
日本では、仏教が伝わる以前から、家の「魂棚」という棚で、御先祖様の霊をお祀りする祖霊信仰をしていました。
中国の儒教では、故人の生存中の官位と姓名を牌と呼ばれる細長い札板に記載し、牌を「霊の宿る所」として祀り、御先祖様を供養していました。
それが鎌倉時代に禅宗の僧侶によって、日本にもたらされ、仏教と古来からの先祖崇拝と先祖供養が結びつき、お位牌となりました。
当時は、仏教は、武家など一部の階層のための宗教でありましたが、法然上人が浄土宗を、親鸞上人が浄土真宗を開き、南無阿弥陀仏と唱えれば救われるというその判りやすい教えから、仏教が一般庶民にも普及しはじめました。
江戸時代に「人々は必ずどこかの宗派、寺院に属さねばならない 」という檀家制度が社会の仕組みが出来ました。
これにより庶民の葬儀も僧侶が執り行うのが当たり前となり、御仏のお力によって極楽浄土へ導かれ成仏した先祖を供養していくために、お位牌を作ることが広まり、位牌を位牌壇と呼ばれる祭壇に祀りました。
お仏壇が一般にも普及すると共に、
信仰のため御本尊を祀るお仏壇と、先祖供養を行う位牌壇が、融合していきました。
本来、お仏壇は信仰のためですので、信仰の対象である御本尊を最上段にお祀り、
先祖を供養するためのお位牌はその下の段に安置します。
お仏壇の前で、心静かに手を合わせ、合掌・礼拝するこは、仏様と身も心も一体となり、敬い
『ほとけ様や御先祖様のおかげで、こうして私たちがいる』ことを感謝するお礼の時間です。
- 「合掌」は、仏を拝む時の礼法です。
- 仏教特有もので、右手は悟りの世界である仏さまを、左手は迷いの世界、つまり私たち人間を表しています。 手を合わすことで、御仏と身も心も一体となって通じ合い、信じてすがることを表しています。
- 信じることで 相手を尊び、感謝の意を表します。
- よくお坊さんが、お辞儀の代わりに合掌されるのは感謝を表すためです
- 「礼拝」は、合掌したまま上体を約四十五度かたむけてお礼をし、上体をおこしてから合掌をときます。
- 礼拝は深く敬意を表し、お礼をすることで、祈ることではありません。
現在では、亡き人と対話を通じて
家に仏壇がある方であれば、仏壇の前やお墓参りの時に、線香をあげ合掌をし、亡くなった方に語りかけることがあると思います。
日本にはモノを擬人化する習慣があり、モノに「さん」を付けて呼ぶことで、親近感を持ちます。
お仏壇や位牌やお墓を亡き人と重ね、位牌やお墓に「じいちゃん」「ばあちゃん」と呼んで、語りかけ偲びます。
人は亡くなると、極楽浄土へ生まれ変わり仏になるという、浄土信仰の考えと、
亡き人を尊ぶ日本の精神文化が結びついたものです。
この時、亡き人を偲びつつ、自分自身をも振り返っています。
忙しい日常生活の中で、仏壇に手を合わせることで、亡き人を偲び、在りし日の思い出や言葉や教えを噛みしめ、自己の反省をしたり、冷静な自分を取り戻すことが出来ます
(注意)
浄土真宗以外の宗派は、位牌は亡き人の「霊の宿る所」としてお位牌をお仏壇の中の位牌壇におき、
追善供養(先祖供養)をし、お盆には盆提灯をかざり、御霊具膳をお供えします。
ただし、浄土真宗では、お仏壇は、ご本尊である阿弥陀如来様をご安置する所で、
先祖をおまつりするためのものではないという教えです。
浄土真宗では、(往生即身仏)という教えから、
『阿弥陀如来のはたらき(法)によって、人は亡くなると、必ずお浄土へ導いて下さり、みな等しく仏になる』
供養をせずとも、仏弟子として、極楽浄土で既に仏さまになっているので、お盆に先祖の霊が帰ってきたり、
位牌そのものに魂が宿ると言う考えがなく、位牌をもちいません。過去帳も記録としての覚え書きです。
しかし、お仏壇を通して、『仏となって、つねに私を見守ってくださる亡き人の心に出遇う場』として、
お仏壇を捉えています。
ご法事を通じて
仏様の教えに触れる機会の時間であり
家族や親戚との繋がりを一層強めてくれる場所
普段は離ればなれに暮らす家族や親戚など縁ある人々が、ご法事や盆をご縁に、お仏壇のもとに一同に集います。
ご法事やお盆にお寺様に来て頂いて、お経をあげて頂くので、先祖供養のためだと思われがちですが、
実はご先祖様を含めたその場にいる全員のためなのです。
ご法事というご縁で、家族や親戚が、ご先祖様を心から偲び、そのご恩に感謝して先祖供養を行い、
同時に、その場にいる私たちががお釈迦様や阿弥陀様の教えを聞かせて頂く大切な仏事です。
お経の本来の役割は、「悩み苦しむ人たちを救うため、この世を生きている人が幸せな道を歩めるように」とのアドバイスが、
お釈迦様をはじめ、さまざまな仏様が説かれた教え=メッセージとして書かれています。
でも、お経を聞いたところで、《何を言っているのか》そして《どういう意味なのか》なんてほとんどわかりませんよね?
仮に、お経の意味がわからなくても、お経自体がとても『ありがたいもの』なので、
それを読んだり聞いたりするだけで功徳やご利益が得られるとされていますので、どうぞ安心してください。
せっかく法要に参列しているのですから、
姿勢を正して、自分へのメッセージということで、ちゃんとお経を聞いていないともったいないです。
そして、ご法事は、ご先祖様から私に繋がれた「命について考えさせていただく日」であり、
ご法事をお勤める私たちが、これまでの人生を振り返るという大きなご縁の時間でもあります。
また、ご法事を通じて、みんなが集まり、家族や親族の命のつながりを改めて感じ、お互いの健康を願い、親族への思いやりや繋がりを強めていけます。
お仏壇は、そうした家族や親族の繋がりを与えてくれる場所でもあります
まとめ
お仏壇は、
心のよりどころとしての信仰の場であり、
供養や感謝の念を伝える場のみならず、
仏様の教えに触れる機会の与えてくれ、自分自身を見つめ直す機会を与えれくれて
家族や親戚との繋がりを一層強めてくれます。
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