2021/04/21
葬儀や法事の際にはさまざまな種類のお金が必要となりますが、
布施(ふせ)はそもそも、他人に財物などを施したり、
相手の利益になるよう教えを説くことなど、贈与、与えることを指します
※ お布施に関しましては、お経料などの対価の金額ではなく、
お寺の仏様への「感謝の気持ちで財(お金)を施し供える」=)財施(ざいせ)であり、
それをお寺様にお託(ことづ)けるものが、本来のお布施の姿です
金額については、お寺様から要求されるものではなく、
気持ちでお渡しするものであり決まった金額というのはありません
金額は、地域性やお寺との付き合いの深さなども関係し、
また同じ金額でも、それぞれのご家庭により、その金額のもつ価値が異なります
金額については、経済力に応じ、自分の出来る範囲で、無理の無い、文字通りの布施(財物をほどこし与える)の額で宜しいかと思います。
そうは言っても、幾らお包みすれば良いか? わからないと悩まれる方も多いでしょう。
金額について、ネットで相場を示したり、葬儀屋さんが、遺族に金額をプリントしたものを手渡したるするケースがありますが、ここで金額を書くのは控えます。
そもそも、お寺と檀家との関わりの深さ、その方の経済力などを判らない他人が
お布施の金額を示すのはおかしいと思うからです。
近所のお年寄りに尋ねたら、以外と多額だっとと、いうこともあります。
お年寄りの方は、日頃は、慎ましく生活されていらっしゃいますが、
お寺ごとに関しては、『 こころのよりどころ 』として 、世間の方より多くされる方が多いです。
お寺様のお参りが、一年を通じて、お盆や年忌のみだけと、
毎月、月命日までお願いするのでは、年間のトータルも変わってきます
お布施の金額は、何かのタイミングでないと、途中で金額を下げるのも気が引けると思います
お布施はその年一年間のみならず、
檀家であり続ける限り続くものですので、長い目で考え、
この金額だと、続けて行くのに無理のない範囲でされるとよろしいかと思います。
お寺様へのお布施には、白黒の水引付きの金封袋は使いません
水引の白黒の色の持つ意味は、相手に不幸があっての憂い事に対する哀悼の意を表し、
そうでない場合は相手に失礼にあたりますので、お寺様に不幸があった場合を除き使いませんので注意しましょう
自分の家で葬儀を出した後でも、お寺に対して渡すお布施は、相手(お寺様)に不幸があっての憂いごとではありませんので、
白黒の水引付きの金封袋は使いません
無地のお布施でも構いません。
入仏式は、ご本尊を向かい入れるお祝いごとでありますので、
紅白の水引を用いることもあります(ただし、右上に熨斗が無いもの)
熨斗(のし)とは正しくは「熨斗鮑(のしあわび)」と言い、本来は鮑(あわび)を細く薄く切り、叩いて伸ばしながら乾燥させた保存食です。
仏教の仏事の場合には、魚介類が由来の熨斗は生臭物とされ、弔事ではなくても熨斗を付けるのが失礼になります。
無地のお布施でも構いません。
お布施は直接手渡しするのではなく、お盆にのせて、渡すのが一般的な作法とされています。
お布施をお渡しする相手は、直接的には菩提寺などのお坊さんということになりますが、
実際は菩提寺の本尊、つまり菩提寺で祀られている仏様ということになります。
お渡しする時は、
(本来ならば、お寺に赴いてお寺の御本尊にお渡しするのを、お寺様に託けて、お渡しする)意味からも
『 おことづけいたします 』と一言添えてお渡しされると良いです。
お寺様も 『 お預かりいたします』とおっしゃると思います
まとめ
仏教で考えるお布施とは「お布施の金額の大きさ=お経の功徳の大きさ」ではありません。
布施は、お金の額よりも、布施をするときの心(気持ち)が大事なのです。
金額については、ご自身の経済力に応じ、無理の無い、自分の出来る範囲で、
あくまでもご自分が「気持ちよく供養や法要ができた」と思える金額 = 文字通りの布施(財物をほどこし与える)の額で、宜しいかと思います。