旧暦の11月28日は親鸞聖人の命日=御正忌報恩講(お取り越し)です 『取り越し苦労』 の語源の関係は?
報恩講は、御正忌報恩講 または、お取り越し とも呼ばれます
浄土真宗の宗祖(開祖)の親鸞聖人(1173年 – 1262年の陰暦の11月28日)
の祥月命日の前後に、宗祖親鸞に対する報恩謝徳のために営まれる法要のことで浄土真宗の僧侶・門徒にとっては、年中行事の中でも最も重要な法要で、本山にて、祥月命日を結願(最終日)として1週間にわたり法要が営まれ、御正忌報恩講と呼ばれます。
浄土真宗の教えをお伝え下さった親鸞聖人のご命日を縁として、そのお徳に感謝し、私が仏さまの教えを聞かせていただく大切な集まりということです。親鸞聖人の恩に報いる集い(講)だから報恩講といい、全国から門徒や真宗末寺の人たちが本山に集まります。
- 真宗大谷派(お東)・真宗佛光寺派では11月21日〜28日ごろ
- 浄土真宗本願寺派(お西)や真宗高田派では、1月9日〜16日ごろ
親鸞聖人の忌日は11月28日なのに、なぜお西やお東では、日にちが違うかと申しますと、
- 真宗大谷派(お東)では旧暦の11月28日付のまま新暦の日付で行われ、
- 浄土真宗本願寺派(お西)では、旧暦の日(11月28日)を新暦に換算して1月16日に営まれるからです。
同じ日に、全国の真宗末寺でも自分のお寺に於いて「報恩講」の法要は行わないといけなく、
11月28日に法要を行うと本山に行けなく、また門徒(檀家)の家庭においても、
住職を招いて仏壇の前で報恩講の法要をしないといけなく、住職や門徒は本山に行けません
今風で言えば、ダブルブッキング、トリプルブッキングですね
困った!困った!
真宗末寺の住職や門徒(檀家)は日にちが重なり、あれこれ考えてしまい心が休まる暇がなく大変
そこで
ひらめいた!
浄土真宗の末寺や門徒は、
親鸞の命日(旧暦11月28日)に本山で行われる報恩講と重ならないように、末寺では日にちを数日を繰り上げ報恩講を営み門徒の家庭では、一ヶ月ほど日にちを繰り上げ、陰暦10月に各門徒を廻って法要を営み、末寺や門徒が揃って本山の法要に参拝できるように考えました
よかったぁ~!「取り越し苦労」で済んでよかった!
そこで浄土真宗では、親鸞聖人の命日=報恩講を繰り上げて法要を行う「御取り越し=おとりこし」という言葉が生まれました。
それが転じて、何かを繰り上げて先にすることや、先の事を考えるのを「取り越し」といい、報恩講の日にちが重なってどうしよう?という将来の心配事は「取り越し=すなわち、日にちをずらすこと」で、一気に解消され徒労に終わりました
ここに『 取り越し苦労 』の語源があり、どうなるか判らない将来のことをあれこれ考える無駄な心配が、無駄な苦労になる=「取り越し苦労」というようになったのです
※ 陰暦10月は新暦では10月下旬から12月上旬ごろに当たります。
壇家の多いお寺では「お取り越し」また別の言い方で「門徒報恩講」は9月ごろから始まります
(地域やお寺により時期は異なります)
報恩講の前に、お仏壇のお掃除をしっかり行い、
最上のお荘厳【お飾り】をしてお勤めします。
お飾りは、普段の三具足から、正式の五具足(花立:1対、火立:1対、香炉)に替え、報恩講では赤いろうそくを灯します
(無ければ白のローソクでも良い)
打敷をかけます。御文章も用意しましょう。
報恩講(親鸞聖人の命日)に赤い和ろうそくを使う理由は
「故人の命日をご縁に親戚縁者が阿弥陀様の前に集まり、お念仏の教えを味わうことが出来る。これはとても喜ばしいことではないか!」という意味だと言われています
いっしょにお勤めできるよう、経本(在家勤行集や浄土真宗 勤行集)も用意しておくと良いでしょう
そして、菩提寺の報恩講には家族そろってお参りし、本堂で法要とお説教を聴聞することが門徒としてのたしなみです。
お問い合わせ
商品に関するご質問など
お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ先 株式会社 井上佛工所
お問い合わせ先
株式会社 井上佛工所
TEL 0836-72-0125
営業時間 9:00~18:30
※土曜日・日曜日・祝日も営業しております。
定休日 不定休